テレビ局の中の仕事場「マスター」編

局の中の仕事場「マスター」編

皆さんはじめまして、テレビ局のマスターに勤務している阿部といいます。早速ですが「マスター」って何をしているところかわかりますか?(かく言う私も配属されるまで知りませんでした。)

マスターって何してるの?

マスターの仕事を紹介するうえで、まず最初に出てくるのは“監視”の仕事になります。
この監視をマスターでは24時間365日行っているわけですが、「じゃあ何を監視しているの?」と思いますよね。マスターでは様々な映像や事前に組まれているプログラムを監視・チェックしていますがその中でも大事なのは今放送されている番組です。

今、皆さんがテレビをつけると当たり前のようにテレビ番組が放送されていますし、見ていない時も番組は放送されています。この放送が1分1秒不備が起こらないように常に監視している訳です。
「テレビを見ているだけじゃん!」と感じる人もいると思いますが、とんでもありません!ずっと目を離さずテレビを見続けてみて下さい。これがなかなか疲れます・・・。

他にも、映像が黒くなる・映像や音声にノイズが入る・字幕やデータ放送がないなど、放送に不備がある時は何をどうすればいいのか意識しながら監視しています。
マスターは機械が壊れても放送を止めるわけにはいきません。
何かあった際、すぐシステムを切り替えられるよう常に複数の機械を同時に動かしています。【今どうなのか?】と【もしこうなったらどうする?】を意識することが大事になってきます。マスターで何かしらミスがあると、そのまま放送事故に直結するため常に緊張感をもって作業しています。

有事の際の緊急対応

マスターで勤務するにあたって1番緊張する瞬間が、事件・災害など有事の際の対応です。
放送は〇時〇分〇秒にCMが入り、〇時〇分〇秒に番組に戻るなどプログラムが事前に組まれています。さらにそこから何重ものチェックを通って放送されているわけですが、有事の際になるとそうはいきません。
事前に組まれているプログラムを手作業で変更する作業が発生します。この作業はいつ発生するかわかりませんし、どう変更するかもその時々により異なります。そのため前もって様々なパターンを想定し、もしこのような状況が起きたらどうするかを事前にトレーニングします。

例えば、災害報道はトレーニングが活かされる時でもあります。
最近は九州地方が大雨で甚大な被害が出ていますが、2019年は関東地方でも台風の直撃により大きな影響が出ました。

この時は、速報を何度も挿入したり、放送予定の番組を急遽「報道特別番組」に切り替えることが決定したため、プログラムを書き換える作業が発生。この書き換えを間違えると放送事故に直結するため緊張感を持ち、尚且つ迅速に対応しないといけません。
他にも、台風や地震のときに見るL字スーパーを挿入。このL字スーパーがあることにより、視聴者はいつテレビをつけても災害情報を知ることが出来ます。(画面上に出るニュース速報だけだと、そのタイミングで見ないと情報を知ることができませんよね。)文字で書くと伝わりにくいかもしれませんが、この有事の際の緊急対応こそがマスターの大事な仕事の1つと言えるでしょう。

最後に、今回紹介したのはマスターのほんの一部になりますが、なんとなくイメージを掴んでいただけたでしょうか?まだまだ伝えたいことはありますが、今回はこのくらいでまたの機会があればもう少し詳しく紹介したいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!

Text by
P.S.
この記事を書いている日も雨でした・・・
放送技術本部
伝送・放送管理グループ
阿部正輝